親が徳を積むということ
2018/04/17
私は最近、私自身が指導に直接当たらせて頂いた過去の卒業生のその後を知る機会を多々頂いています。
5歳から15歳まで教えさせて頂いたY 君は、MIRAI創立時の生徒さんでした。
現在彼は36歳。
3人のお子さんを持つお父さんになっていました。
彼は、幼少より水泳が得意で中学の時は強化選手に選ばれ毎日遅くまで部活動をし、くたくたになってMIRAIに通ってきていました。
疲労で宿題が出来なくなっていた彼に、私は5科目分の宿題をポイントにしぼり30分で出来るように1年間バックアップしたことを覚えています。
そうして、MIRAI創立時の生徒が手にした浜松北高合格でしたので、彼のその後の人生がとても楽しみでした。
また、水泳を頑張ったことで彼は何を得ることができたのかということに興味がありました。
当時は世の中自体がまだまだ想像力やコミュニケーション能力の大切さより、良い高校、大学へといった風潮でした。
その中での塾経営ですから、まずは合格できる実力をつけさせねばなりませんでした。
その上で夢や希望を語ることに時間を割くことが難しい時代でもありました。
職業選択においては、学力が選択肢の幅を決めます。
しかし、好きなものが見つけられなければ学力も活かせません。
そこで、人生で大切な縁ということが関係してくると思います。
頭が良くても悪くても、良い縁に導かれれば満足が行く人生になっていくのだと思います。
その縁を作るのは、親が徳を積むということだと思います。
徳とは親から自然に品性として身につけているものです。
つまり、親子代々の恩恵を、子がまたその孫が自然に受けついでいくものだと思います。
徳を高めたいと思うのであれば、積んでいく努力をすることでその人の子どもも自然に素晴らしい縁に触れていくことができるのだと多くの親子を長年拝見してきた経験から思います。
36歳になった教え子は、サラリーマンで職業はプログラマーになっていました。
「休みの日は、3人の子どもの世話をしなくてはいけないから自分の時間は全く取れないんです。」とこぼしていました。
「仕事の内容は、嫌いなことではないので苦にはなりませんが、これで良いのかなあ? と思ってもどうにもなりませんね。」とも言っていました。
つまり、自分自身が気が付かなくても子ども自体が宝物なので、先に宝物を得てしまうと誰もが自分の仕事に夢や希望を見出せなくなってしまいがちだと思います。
彼が中学生だった頃は、私もまだまだ未熟な若輩者で彼に学力をつけてもらうことで精いっぱいだったのだと今頃気が付きました。
今もがいている彼はまだ30代。
もがくこと自体を楽しんでくれたら先が見えてくる日がきっと来ると、自分自身の経験を通して感じた21年ぶりの再会でした。